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僕と依舞が一緒に暮らし始めて一年以上が経った。
「今日の夕飯は何にしましょうかねー」
車で町に行き、二人で買い物をする。
休日はそれが当たり前になっていた。
平日は会社から帰ってくるだけでいっぱいいっぱいで、一旦帰ってきてから買い物なんて無理だったから。
「素麺で良いんじゃないかな。たまには手抜きで」
「暑いですもんね、今日」
そんな会話をしていたら
「――あら?」
僕の顔を見て声をかけてきた人がいた。
「良成君?」
叶うことなら二度と会いたくなかった人。
「……水谷さん」
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