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「一家に一人よしおかだな。こんな料理上手いんじゃ嫁さんいらずだろ」
「まあ、家庭を築くパートナーに料理の腕は求めていないね」
そう言いながら出来上がった料理をちゃぶ台に置く。
兼元は取り皿を置くスペースを作るために机の上にある文房具や教科書を乱暴にバサバサと床に散らした。
「……そういうことをするから部屋が散らかる」
「お前は姑か。……いや、どっちかっていうと母ちゃんだな」
ここは兼元の家。
久々に会わないか、と連絡が来たので赴いてきたわけだが……まあ、ここまで自分勝手だとは思っていなかった。
「冗談、とか言いながらちゃんと家まで来て手料理振舞ってくれるあたりお前はホント良い奴だよ」
「流石にホントにここまで何も用意していなかったとは予想していなかったからね。わざわざ来たのに帰るのもおかしな話だから作っただけだ」
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