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母は父をとても愛していて、その愛を大切に、その愛を信じて父に尽くしている。
それは父にも言える話なのだが。
こんな夫婦になれたら幸せだとは思うが、到底自分には出来そうにない。
『あっ、思い出したっ!あの男』
美緒は急に思い出した。
「何よ、急に。あの男って」
『嫌…、何でもない、気にしないで』
と言われても、気にしてしまうのが人間。
「美緒はどうしてそんなに男っぽいのかしらね…。
まっ、中学、高校で悪かったせいもあるのかも知れないけど。
美緒は綺麗で可愛いから、もう少し女らしくなれば、恋愛も上手く行くと思うけど…」
美緒は母親の話は全く耳に入っていない。
美緒の頭の中には、昨日のあのレストランでの出来事でいっぱいだった。
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