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episode 6 #2
母親はソファーで寝てしまった美緒に布団を掛けた。
「日本酒弱いのに…。
何があったのかは知らないけど、美緒がここまで怒るのは珍しいわね。
弱さを見せられないって辛いね、美緒…」
やはり母親、娘の性格は良く知っている。
美緒がこんなに怒りながらお酒を呑むことはなく、ましてや日本酒なんて呑むことはない
自分の中にしまい込んでしまう…。
もっと楽に生きればいいのに…。
でも、性格は簡単に変えられるものではないことも母は分かっているのだが…。
親にですら甘えない娘が時々寂しく思える。
誰かにそばに居てもらえたらと思うのだ。
「美緒起きなさい、もう六時だよ。
美緒、早く起きないと遅刻しちゃうよ」
母親に大きな声で何度も起こされているのだが、なかなか起きない美緒。
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