episode 19 #2

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そうこうしていると、その時がやって来た。 真っ暗な空に、大きな音と共に色とりどりの大輪の花が咲き始めた。 「わぁー!きれー!」 「たまやー!」 真理子と涼子が興奮しながら見ている中、美緒は花火を見て、涙が流した。 二十九歳最後の夏が終わる。 頭の中に浮かび上がる数々の想い出…。 楽しいことよりも、苦しみや辛さが多かった人生の中で、たくさんの出逢いがあって、いつも支えてくれた友達がいた。 なかなかいい人生だと思う。 そんなことをしみじみと思い出し、そして、今朝の永嶋の顔を思い出した。 美緒の人生の中で、忘れられない思い出…。 『永嶋さん、この綺麗な花火見えますか。 この花火を見ていると、どんなこともいい想い出に変わります。 あなたは今、何を想っていますか』
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