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たわいもない話をしながら、二人はゆっくりと歩く。
「そう言えば、陣内と小坂来てたんじゃなかったっけ」
『うん、ついさっき帰ったんだ。
花火大会の時の恒例行事になっちゃってるから。うちで呑むの』
「いいよな、友達って。俺は全然友達付き合いないから、美緒がうらやましいよ」
確かに、永嶋の口から友達の話は聞いたことがない。部長とは大学の先輩、後輩だが、仕事以外の付き合いはない…。
『永嶋さんはここが地元じゃないからじゃない。私はずーっとこの街に住んでるから』
永嶋はそれ以上の話はしなかった。
「喉渇いたな、なんか飲むか」
美緒は笑顔で『うん』と答え、二人で自販機に向かう。
「美緒はコーヒーでいいんだよな」
『うん』
二人は飲み物を買い、ベンチに腰を下ろす。
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