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高倉は慌ててあゆみから離れた。
「今更何言ってんだよ。
俺よりも結婚選んだのはあゆみだぞ」
「ごめんなさい。ルキヤの言う通り。
私はルキヤよりも、親のために結婚を選んだ
でも、私はルキヤが好きだった…。
だから、結婚を選んだことを、ずっと後悔してきたの」
あゆみは泣いていた。
だが…。
「だから離婚したって言いたいのか。
俺はあゆみのことなんて忘れてた。
俺には好きな人がいる。あゆみとやり直すことなんて出来ない」
高倉は冷たく突き放し、部屋へと向かった。
あゆみは高倉の後ろ姿を見つめながら呟く。
「ルキヤ…、こんなにもルキヤのことが好きなのに…」
部屋に戻った高倉は、床のクッションを蹴り、頭を抱えた。
「俺は負けたんだ…、あの時、俺は負けたんだよ!」
あゆみの知らない真実があった…。
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