灰色の姿

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ルースさんの近くにはいたくないけどお父様の無念を晴らすためには仕方がないことだと割り切らないと.......それにヨハンとしていなければいけない。 「ネージュ様」 「ハイド、どうしたの?」 「誰もいません。だから声に出して泣いて下さい」 「......ハイド、悪いけど背中を貸して」 僕はハイドの背中で泣いた。 これを最後の涙にする.......ルースさんへの思いで泣くのはこれで最後にする。 今となっては僕の心を支えているのはハイドとハイネさんかもしれない。 泣いていたらいつの間にか涙は枯れていた。そして僕はハイドにお礼を言い荷物の整理を再開した。荷物を馬車に積み込んでいるとハイネさんが来た。 「どうしたんですか?」 「いいえ…ただ、様子を見に。気をつけて下さい」 「わかりました」 そう言ってハイドと僕は馬車に乗った。 そして出発する。ヨハンの屋敷は春の国と呼ばれているところにあるが森深いところにたっている。そのため人の出入りが少なく、人けもない。
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