灰色の姿

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馬車を降りヨハンの家の紋章が刻まれた馬車に乗り換えハイドと共にルースさんの屋敷に向かった。 流石に疲れる。 「少し眠って下さい」 「そうするよ」 寝ていると夢を見た。それは懐かしい夢......ルースさんとムーンと一緒に過ごした時間。 その夢は桜のように儚く散ってゆき、ルースさんが結婚する姿が夢に出てきた。そしてどんどん離れていく距離。 手を伸ばしても届かない。離れて行くばかり。 「起きてください」 「ごめん。着いたんだね」 馬車から降りた。何て懐かしい.....。 屋敷の門をくぐり中に入った。中には執事が立っていて会議室に案内された。 会議室にはルージュ家はもちろんキャビネット家、そして恭とロジャー家が参列していた。 「やぁ、遅かったね」 「すみません。仕事があったので」 僕は空いている席に座った。ハイドは僕の席の近くで立っている。すると恭が近づいてきて 「武器などはすべて外していただけないでしょうか?その眼帯も」 と言ってきた。
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