出逢い

2/6
11人が本棚に入れています
本棚に追加
/201ページ
暖かな日差しと大きな菩提樹の与えてくれる木陰と爽やかな風に、全身投げ出すように公園のベンチに寝転んで、平日の真っ昼間を過ごす。 5月の麗らかな日 わたしは大学を卒業したものの、就職することも出来ず、実家に帰ることも叶わず、短期のバイトを掛け持ちして食いつないでいる。 こんなはずではなかった こんな生活いつまでも続くわけはない なにかに追いたてられるような焦燥感をいつも抱え、生きることに精一杯で、先のことを考える余裕もなく、考えても不安になるばかりで、わたしは本当に疲れていた。 田舎の母親がよくいっていた言葉 「お天道様が見てるよ」 「お天道様に恥ずかしくないように」 「お天道様の力を借りな」 わたしはどうしようもなく疲れたら、お日様に当たるようになっていた。 そんなわたしが皮肉にも紫外線アレルギーになってしまうとは…… なので、今ではお日様の光を直接当たることは叶わず、日陰でお日様の気配を感じるのが精一杯。 それでも元気を貰える。 わたしはお日様が大好きだ。
/201ページ

最初のコメントを投稿しよう!