第1話

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よくよく考えれば俺、酷かった? 振られたってなれば青葉誘って飲みだったもんな。 青葉っていつも俺の愚痴ふんふんって聞いてくれるし、いっつも「桂木は悪くない」とか「桂木の良いとこ僕はたくさん知ってるよ」とか言ってくれちゃうから弱ってる時飲みたくなるんだよな~ あ、…それ以外で青葉誘った事って…ねーな、あー。 いや、いやいや。 自分より仕事出来てイケメンでキラキラしちゃってる奴と一緒にいたくねーって気持ちになんの、皆そうだよな?俺、酷くねーよな? 青葉って、…俺が振られる度誘われてどうだったんだろ? よっしゃ!って思ってたのかな? いや、今まで一度だってそんな風に感じた事は無かった。 少しでも感じ取れたら絶対誘わねーし。 一昨日振られた彼女とは初めて半年もった。 顔は綺麗じゃなかったけど愛嬌があって、出来ない事の多い子だったけどそれが反って俺が守らなきゃなんて柄にもなく思った子だった。 俺冗談であの子と結婚しようかな~、なんて青葉にのろけた事あったよな。 あいつあの時どんな顔してた? 思い出せない。 確かにあの時は冗談だったけど、どこかで俺にはこの子しかいない、って思ってた。 だって地味な俺に半年も付き合ってくれたんだもん。 だから振られた時ショックでリアルに『目の前が真っ白』を経験した。 んですぐメールした「明日飲みいくぞ」って、青葉に。
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