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『お前、俺にプレゼントとかないわけ?』
日本を離れてから2度目のクリスマス。
日に日に想いは増していった。
そのことからもう目を背けられなくなっていた。
『あるわけないじゃん』
フィンランドの冬は東京の冬に比べれば相当寒い。
凍える手で、想いとは裏腹な言葉を打ち込む。
『なんだよ。ケチ』
声を聞いたら、会いたくなってしまう。
いつだったか、どうでもいいような写真が送られてきた。
会社で誰かに撮ってもらったのか、あのデスクで他の社員と一緒にピースサインなんかした写真。
私が座っていた隣の席には、細身のきれいな女の人が座っていた。
あー…あぁいうの。タイプだよな絶対。
そう思って凹んだ。
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