第2話

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「で、一週間後、案だけでなくとサンプルまで用意してきた。それはいい……その仕事の速さはいいよね」 一応ほめるべきところは褒めてやる。しかし、本題はここからだ。 「で、できたのがこのマグカップ式ダンシングフラワー……」 会議室の机の上、派手なマグカップから生えていたのは、サングラスをかけたご機嫌な花のロボットだ。 「はい」 「どうして……」 俺は机に肘をついて手を組み、うなだれながらつぶやく。 「子供のころからこれ好きだったんですけど、自分では買えなかったんですよね貧乏で。だからこの際作っちゃいました。このダ……」 「ダンシングフラワー」 「そう、ダンシングフラワー」 「ああ……」 力の抜けた声しか出ない。 そんな俺には目を向けず佐藤は話し続ける。
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