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***** テーブルの上にあごを乗せながら、 目の前に置かれた丸い名刺を見て、 はあーー、とため息をつく。 「ねえちゃん、スゴイ。 今、鼻息で テーブルナプキンが浮いた」 「…鼻息じゃないもん。 ため息だもん」 「いや、大部分が鼻から 出てたって。角度的に」 「……」 わたしは祐希のくだらない投げかけに 応える気力もないまま、じとーっと 名刺を眺めていた。 …カオリさん、なのかな。 先生のモトカノって…。 アルバムを見せて貰った日、 …先生は、言っていた。 モトカノは、このアルバムには 載っていない、って。 確認していないから 分からないけれど、 …もし、先生の彼女が称美の 同じ学年の人だったとしたら。 中退する人がそんなに 何人もいるわけないから、 カオリさんである確率は ぐんっと高まる。
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