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「萌ちゃん、祐希くん、 ごめんね。 たぶん、パーティーが 本格的に始まるのは、 8時過ぎだと思うの」 申し訳なさそうに言いながら、 さっきまでカオリさんが 座っていた席に着く。 時刻は、6時を 過ぎたところだった。 カオリさんは、「お客様」との 食事の約束があるとのことで、 レナさんが登場してから 30分ほどで帰ってしまった。 その後、着飾った女性たちが ちらほらと集まって 来てはいるものの、 カウンターに納まり切る 程度の人数で、まだまだ 本格的な乾杯、という 空気ではなかった。 「カナちゃんと 話してたんですって?」 「あ、はい。特に祐希が 可愛がっていただいて……」 「あら」 レナさんは驚いたような顔をして、 「大丈夫だった? カナちゃんに誘惑されなかった?」 「されてました」 レナさんは豪快に吹き出した。
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