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土曜日の午後。 塾から帰って来たわたしは、 レナさんの誕生パーティーに 着て行く服をどうするか、 悩んでいた。 昨夜のうちに、シンプルな ワンピースを選んで 準備していたのだが、 母が今日になって しきりにこの甘めワンピを 勧めて来るのだった。 「そうだ、ちょっと待ってて」 母はウキウキとリビングを出て、 階段を駆け上がって行った。 「かーちゃん、ほんと 大好きだな、ねーちゃんのこと」 祐希がダイニングテーブルで ドーナツを食べながら、 呆れたように言う。 「ねーちゃん、その服、 かーちゃんが買って来てから、 一度も着てないんじゃん?」 「うん…」 わたしは 自分の身体を見下ろした。
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