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「彩加ゴメン、何チャンだっけ」 『5チャン!』 テレビの上部についた ボタンを指で押し、 チャンネルを合わせると、 見慣れたニュースキャスターの 顔が現れた。 2・3歩後ずさり、 ソファの端に腰かけ、 画面に観入る。 『…雇用問題、という、 社会全体の大きな課題が 浮き彫りになったような 気がしますね』 『そうですね。 ――あ、ただ今、現場と 中継が繋がったようです。 本間さん』 中継先に画面が切り替わる。 「…あっ」 わたしは思わず声を上げた。 『映ってる!! ……これ、校門のとこだよね!!』 彩加の言う通り、 テレビに写っているのは、 確かにうちの学校だった。 「…また何かあったの?」 いつの間にか祐希が、 アイスを手にしたまま わたしの隣に立っている。
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