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『先程、放火未遂の現行犯で 逮捕された容疑者は 容疑を認めており、 過去二件の連続放火についても 犯行を大筋で認め、 供述を始めている模様です』 暗い校門前で原稿を読み上げる 女性の映像から、いきなり 慌ただしい映像に切り替わる。 『えー、現在ご覧頂いております VTRは、今から30分ほど前、 放火未遂の現行犯で逮捕された…』 わたしは愕然として 映像を見つめていた。 そこには、両側からスーツ姿の 男性に抱えられ、連行される 犯人の映像が映し出されていた。 「誰?このおじさん。 え、おまわりさんなの?」 祐希が呟く。 …この人が…。 『萌!!――誰だか分かる?』 「…うん…わかる…」 わたしは思わず、深く頷いていた。 手のひらに、じわりと汗が浮かぶ。
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