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「六本木ヒルズに…」
「はぁ?
なんで、六本木ヒルズ…。
まぁいいよ、直ぐに行くから。
動くなよ、絶対。愛媛とは違うから、そこから絶対に動くな、いいな??」
彼の慌てた感じ
もうすぐ会える期待感
暗く支配されていた、寂しさも心細さも消えていく
ファストフード店に居る事を伝えると、彼の声が一段と高くなる。
「里穂、直ぐ行くから。
とにかく動くな。誰かについて行くなよ、いいな!」
電話は切れた。
もう、スマホの電池が切れても怖くない。視界は明るく輝きを増してくる。
彼が来るまでどのくらい時間がかかるかはわからないけれど。
少しでも綺麗にしていたい。
急いでトレイを片付けて、化粧室へ向かった。
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