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寒さに鼻の奥がツンとする。
鼻が痛くて、涙が滲んだ。
「感動して泣いてる?」
「違う!寒いんよ!東京は、寒いもん」
抱きしめられる圧が強くなって
「まだ寒い?」
俯く私に頭の上から声がする
「ほら、里穂。
イルミネーション、見て…」
「綺麗…」
青と白の光は並木通りを眩い世界へと変えた。長い列をなす車のテイルランプも通りに並ぶショウウィンドウも一体となって輝く。
濃紺の背景にジュエリーのように光り輝く街並みの先には、温かく光る東京タワー。
テレビで見るよりも、幻想的でロマンチックで。
見渡せば、私たち以外にも恋人たちばかりか寄り添いイルミネーションを見つめていた。
寒くて、寒くて。
震えてしまうけれど。
隣に彼がいる、それだけでこの寒ささえも愛しくて
ピンキーリングのジンクスが叶いますように。
星の見えない夜空に
クリスタルのように輝く光の粒に
祈りを捧げて。
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