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「…テツ、お前っ」
見ると、春山先生は
澄まし顔でカレーを
食べ続けていた。
「お前、なんで人の
恋路を邪魔するんだよっ。
蹴られるぞ、馬とかに」
「恋路って…。
だからさ、既婚者が
堂々と女子高生口説くなよ」
「バカ、俺の口説きは
まだ始まっても
いないんだよっ。
本気出すとヤバいよ、マジ。
…今まで、女子高生
何人口説き落としたか、
言ってやろうか」
「うん、聞きたい。教えて」
「――その手に乗るか、卑怯者!
罠だろ、マミにチクる気
満々じゃねえかよっ」
二人がケンカしてる隙に、
わたしは黙々と
カレーを食べていた。
今のうちにこっそり
お代わりしちゃおうかな、
と考えていると、
「とーちゃん、
…もう、寝ようよー」
眠たそうな声が聞こえて来た。
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