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散々なだめてすかして 脅してじたばたして ウジウジしてやっと 連れて来てもらった、 先生が青春時代を過ごした部屋。 本当なら、嬉しさのあまり 卒倒してもおかしくないのだけれど、 ――やはり、さっきのことが 引っかかって、手放しでは 喜べない自分がいた。 ――彼女もこの部屋に 遊びに来たこと、 あるのかな…。 胸の奥に仕舞いこんだはずの ズキズキが再び這い出て 来ようとしたので、 わたしは急いで思考を 停止させた。 ……考えない考えない……。 わたしは大人、イイオンナ……。
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