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「失礼します…」
わたしは先生の後について、
おずおずと部屋の中に
入って行った。
「ほら。別に、大して
面白くもないだろ」
「いえっ…とっても
面白いですっ」
先生は呆れたように
わたしを見て、
スチールシェルフの方に向かった。
膝をつき、一番下の段に置かれた
大きな黒い箱の中を探り始める。
わたしは、室内を
ぐるりと見渡した。
……男子の部屋、って
感じだなあ……。
シンプルなガラステーブルや
勉強机、そして姿見、
シングルベッド。
収納はスチールシェルフと
作り付けのクローゼットだけの、
すっきりとした部屋だった。
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