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アリスは自分の部屋に入ると、大きなため息をつきながらベッドに腰掛けた。
メルヘンな天蓋付きのベッドが、軽く軋む。
(掃除する所は特にないんだけどな・・・)
アリスは部屋をぐるりと見渡した。
リサの言いつけで、部屋はいつも綺麗にしてあるのだ。
ふと、アリスの目はクローゼットに止まった。
ベッドから立ち上がると、クローゼットを開ける。
一見、そこには可愛らしい洋服が並んでいるかのように見えるが、実は違う。
(よいしょ・・・と)
洋服をかき分け、クローゼットの奥に手を伸ばすと、やや大きめの箱に触れた。
「あった・・・」
アリスは小さく呟くと、箱を開けた。
箱には、アリスがこっそり自分のおこづかいで買ったジーンズやバイクの雑誌、ロックバンドのポスターなどが入っていた。
この箱の中身を見ている時だけ、アリスは本当の自分でいられるような気がするのだ。
しばらく箱の中を眺めていると、突然チャイムが鳴った。
「アリス!おじさんが来たわよ!」
リサが階段の下からアリスを呼んでいるようだ。
急に現実に引き戻されたアリスは、再び大きなため息をついて玄関に向かうのだった。
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