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二月、それはあたしが一年の中で一番嫌いな月。
二月なんて大っ嫌い、あんなものなければ良かった、二月なんて永遠に来なければいいのに。
この月だけを、あの日だけを飛ばして時間が流れてほしいと心底思う。
―――もう、あたしの大事な奴を連れて行かないでくれ―――。
「お前明日学校絶っっっっ対来いよ!!」
「は…?」
帰りのSHRが終わり今日はこのまま真っ直ぐ帰るつもりで支度していたあたしはの手は涼の言葉に固まった。
ふわりと音をたてず机の上からマフラーが落ちる。
「なに言ってんの?」
「やっぱお前のことだからサボろうとしてただろ!!」
「…まぁ…。」
あたしは眉間に寄った皺を見られないように落ちたマフラーを拾い付いた汚れを払った。
だって、明日は―――。
「いいから来い!!なにがあっても絶対来い!!這ってでも来い!!」
「お前はゆーちゃんか、…てか…明日は、家から一歩も出ない予定だったんだけど。」
「学校だけは来いよ!!」
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