タイセツナモノ

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「う…。」 考えすぎて、頭がこんがらがって来て、ショートした。 あたしはなんのために戦って来たんだこら。 蓮のため?百合のため?仲間のため?家族のため? …違う、あたしは…あたし、は―――。 段々と遠くなる意識、頭から流れ出た血が頬を伝い…あたしはそれを無意識に拭い取る。 服も体も血だらけであまり変わりはしなかったが。 重力に逆らえずあたしは地面に向かって倒れる。 そうだ…あたし怪我してたんだっけ、珍しく。 ずっと会いたかった蓮。 ずっと追いかけるしかないと思ってた蓮。 それが今、目の前に現れて…意味が全く分からなかった。 ただムカつくことに蓮が現れたことにあたしは安心して…体から力を抜いた。 どんどん寒くなっていく。 身体には衝撃が走ると思って覚悟していたのだが…それはいつまでたっても来るわけでもなく…。 焦る声が聞こえたような気がしたが懐かしい匂いに包まれて…あたしは意識を完全に失った。 .
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