1142人が本棚に入れています
本棚に追加
/459ページ
「う…。」
考えすぎて、頭がこんがらがって来て、ショートした。
あたしはなんのために戦って来たんだこら。
蓮のため?百合のため?仲間のため?家族のため?
…違う、あたしは…あたし、は―――。
段々と遠くなる意識、頭から流れ出た血が頬を伝い…あたしはそれを無意識に拭い取る。
服も体も血だらけであまり変わりはしなかったが。
重力に逆らえずあたしは地面に向かって倒れる。
そうだ…あたし怪我してたんだっけ、珍しく。
ずっと会いたかった蓮。
ずっと追いかけるしかないと思ってた蓮。
それが今、目の前に現れて…意味が全く分からなかった。
ただムカつくことに蓮が現れたことにあたしは安心して…体から力を抜いた。
どんどん寒くなっていく。
身体には衝撃が走ると思って覚悟していたのだが…それはいつまでたっても来るわけでもなく…。
焦る声が聞こえたような気がしたが懐かしい匂いに包まれて…あたしは意識を完全に失った。
.
最初のコメントを投稿しよう!