第1話

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「そんなんじゃ彼氏は出来ないよー」 「ほっとけー」 席を立って空になった紙パックを教室の隅にあるゴミ箱へ捨てに行く。 昼休みだというのに自分の席に座って参考書なんかを広げてるヤツもいる。 どんだけ良い大学目指してんのよ… そんなことを考えながら机の間を歩いていると 「う、わッ!」 うっかり足を机に引っかけてしまい勢いよく前のめりに倒れる。 バンッ!! 必死に転ぶのだけは阻止しようと近くの机に手を付いた。 「…ッ!」 その机に座っていた眼鏡の男子は急に机を叩かれ、肩をビクつかせた。 「あ、ごめん、コケそうになって」 勢いよく手を付いたため手のひらが尋常じゃないほど痛い。 だけどそこで痛がるのはカッコ悪い気がした。 よく見ると眼鏡の男子(名前がわからない)はイヤホンをつけてるらしく、私が言ったことが聞こえていないらしく顔を上げもしない。 謝り損でしたか… ますます自分のカッコ悪さが露呈した気がして、フンッとそっぽ向いてそのままゴミ箱へ向かった。
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