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「千鶴、どしたの?」
「んー、転びそうになった」
ゴミ箱から帰ってくると、梨花が目を丸くして待っていた。
「なんだー、てっきり松田くんにメンチ切ったのかと思ったー」
梨花が安堵のため息を吐いた。
私はそんなヤンキーキャラではありません。
「松田くんって、あの眼鏡の人?」
先ほどの机に視線をやると、眼鏡くんはイヤホンをつけたまま頬杖ついて窓の外を眺めている。
「千鶴、クラスメイトの名前、そろそろ覚えようか…」
「うん、頑張る♪」
そのとき既に眼鏡くんの名前を忘れていた。
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