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「今日お姉ちゃん残業らしいから、ちゃんと戸締りし…」
「分かったから!いってらっしゃい」
今夜はお母さんは単身赴任中のお父さんの所へ泊まりがけで行くらしく、今夜はお姉ちゃんと二人で留守番をすることになっている。
さっきから家の心配ばかりして一向に家を出ないお母さんをようやく送り出した。
「あー、自由だー」
リビングのソファに寝転び、テレビのリモコンに手を伸ばそうとすると
「ただいまー」
玄関のドアの開く音とともにお姉ちゃんが帰ってきた。
「えっ?今日って残業じゃ…」
夜遅くに帰ってくると思っていたお姉ちゃんの急な帰宅に驚く。
「千鶴!外に出るよ、オシャレして」
「は?」
マフラーを外しながらリビングに入ってきたお姉ちゃん。
「外って、どこ?何しに?」
脱いだコートをソファの背もたれにかけたお姉ちゃんを見上げると、お姉ちゃんがニタリと笑った。
不敵な笑みとはこのことだ。
「クラブに行くよ♪」
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