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きっとわたしは子供だから、
……自分には手の届かない、
先生との放課後を過ごした彼女に
見当違いの嫉妬を感じて、
こんな気持ちになっているんだ。
だから、ちょっとだけ泣いて、
もう考えるのは止めよう。
来年の春にはきっと、
こんなつまらない考えが
吹き飛ぶほどの、
楽しい日々が待っているんだから…。
グズグズと泣くうちに
先生の顔が見たくなって、
わたしはポケットから
携帯を取り出した。
データボックスの中の、
写メのページを開く。
卒業写真の撮影の時にゲットした
秘蔵の写真を何枚か見ていると、
次第に心が落ち着いて来て、
――いつの間にか私は、
ほんのり笑顔を浮かべていた。
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