-4-

11/18
前へ
/31ページ
次へ
……先生の、 全部の顔が、好き。 カメラマンさんに向ける、 愛想笑い。 ちょっと険しい顔をして、 携帯を向けるわたしたちを 威嚇している顔。 お前まで何やってるんだ、 という、呆れたカメラ目線。 先生の何気ない表情を 見ているだけで、 こんなに嬉しい気持ちになれる。 ……そう。 わたしは充分過ぎるくらい、 先生に幸せを貰ってる。 先生と制服デートは 出来なかったけど、 終わってしまった 哀しい恋とは違い、 ――何より、わたしたちの恋には ワクワクするような未来がある。 これからは、 先生があの古い携帯を 充電器に繋ぐ暇がないくらい、 わたしが毎日、先生を 笑顔にしてあげよう。
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

342人が本棚に入れています
本棚に追加