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……先生の、
全部の顔が、好き。
カメラマンさんに向ける、
愛想笑い。
ちょっと険しい顔をして、
携帯を向けるわたしたちを
威嚇している顔。
お前まで何やってるんだ、
という、呆れたカメラ目線。
先生の何気ない表情を
見ているだけで、
こんなに嬉しい気持ちになれる。
……そう。
わたしは充分過ぎるくらい、
先生に幸せを貰ってる。
先生と制服デートは
出来なかったけど、
終わってしまった
哀しい恋とは違い、
――何より、わたしたちの恋には
ワクワクするような未来がある。
これからは、
先生があの古い携帯を
充電器に繋ぐ暇がないくらい、
わたしが毎日、先生を
笑顔にしてあげよう。
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