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「ね、先生」
「ん?」
「…卒業したら、
…もっと堂々と、会えますよね」
「……」
「そしたら、遊園地とか、水族館とか、
…いっぱい、行きたい」
「……。そうだね」
先生が微笑んでくれたので、
わたしは嬉しくなった。
「来年の春からは、
きっと楽しいんだろうな。
映画観たり、喫茶店に入ったり、
遊園地に行ったり、
水族館に行ったり――」
「遊園地と水族館、
2回言った」
「え、…そうでしたっけ」
わたしは自分の言葉を思い返し、
首をひねった。
「よっぽど行きたいんだな」
「…そうなのかな…。
でも、そうかも」
えへ、と笑ってふと見ると、
先生が少し悲しそうな顔を
している事に気付く。
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