-4-

3/18
342人が本棚に入れています
本棚に追加
/31ページ
「ね、先生」 「ん?」 「…卒業したら、 …もっと堂々と、会えますよね」 「……」 「そしたら、遊園地とか、水族館とか、 …いっぱい、行きたい」 「……。そうだね」 先生が微笑んでくれたので、 わたしは嬉しくなった。 「来年の春からは、 きっと楽しいんだろうな。 映画観たり、喫茶店に入ったり、 遊園地に行ったり、 水族館に行ったり――」 「遊園地と水族館、 2回言った」 「え、…そうでしたっけ」 わたしは自分の言葉を思い返し、 首をひねった。 「よっぽど行きたいんだな」 「…そうなのかな…。 でも、そうかも」 えへ、と笑ってふと見ると、 先生が少し悲しそうな顔を している事に気付く。
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!