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「…先生…?」
「…うん…」
先生は、握った
わたしの手の甲を、
優しく親指で撫でた。
「ごめんなさい、
……変なこと、
言っちゃいました?」
心配になって言うと、
先生は黙って、
わたしの肩を抱き寄せた。
おでこ同士が
こつん、と当たる。
「時々、…思うんだ」
穏やかな声が、
耳元に降りて来る。
「お前は俺なんかと居て、
本当にいいのかなって…」
「…え…っ」
驚いて顔を上げる。
「いや…」
長いまつ毛が
少しだけ伏せられる。
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