-4-

4/18
前へ
/31ページ
次へ
「…先生…?」 「…うん…」 先生は、握った わたしの手の甲を、 優しく親指で撫でた。 「ごめんなさい、 ……変なこと、 言っちゃいました?」 心配になって言うと、 先生は黙って、 わたしの肩を抱き寄せた。 おでこ同士が こつん、と当たる。 「時々、…思うんだ」 穏やかな声が、 耳元に降りて来る。 「お前は俺なんかと居て、 本当にいいのかなって…」 「…え…っ」 驚いて顔を上げる。 「いや…」 長いまつ毛が 少しだけ伏せられる。
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

343人が本棚に入れています
本棚に追加