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「…ま、…考えるだけ、
なんだけど。ね」
フッと笑って
目を逸らした先生の顔は、
自分を責めているように見えた。
「…そんなこと、
…考えたことも、
なかったです」
わたしは、にっこり微笑んだ。
「だって…先生以外の人と
そんなことしても、
…わたしには、意味がないもの。
いいんです、
今ガマンしてる分、
卒業したらすっごく
ベタベタしちゃうから」
明るく言って、
先生の頬に頬を擦りつける。
「…だから…先生。
もう、そんなこと、言わないで…」
肩に頭をもたれると、
先生の唇がこめかみに触れ、
耳元に「ごめん」という
囁きが届いた。
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