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店を出て、僕と佐鳥は近くにある本屋に向かう。
小さな本屋だが、品揃えが僕好みなのでとても気に入っている。毎週通っているので、店員にも顔を覚えられているほどだ。と言っても、ここの店員は三人しかいない訳だが。
「おっ、あったあった新刊。あっ、しまった、持ち合わせがあまりないな。佐鳥、貸してくれ」
「バイトしたらどう?一ヶ月に一体幾ら本に注ぎ込むんだよ」
「約三万」
「いいバイト紹介しようか?」
確かにバイトしてお金を稼ぐべきだろう。しかし、バイトをしてしまうと勉強や読書の時間を削らなければいけない。それは僕にとって苦痛だ。
僕は低身低頭で佐鳥から二千円をかり、本を買った。その本の作者は僕が敬愛してやまない、海野新海である。
「真君、今週もありがとね」
「いえ、感謝すべきは僕の方ですよ店長さん」
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