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ー東京 秋葉原某喫茶店ー
甘く気分が悪くなりそうな匂いに包まれる店内に、僕は友人の佐鳥と一緒に食事をしていた。
佐鳥はメイドと呼ばれている店員にしか興味が無いようだが、僕は目の前の珈琲ゼリーにしか興味がない。
「なぁ、見ろよマコト。あの子可愛くない?絶対領域がヤバ過ぎる」
「絶対領域?なんだそれは、その領域に入ると死ぬのか?」
「まあ、間違ってないな。てか、お前はちょっとでも女子に興味ぐらい持てよ。俺ら大学生なんだぜ?」
「お前は勉強に興味持て、大学生だぜ?」
佐鳥は勉強の話を出した途端黙った。こいつには大学生という自覚はないのだろうか?恋愛にうつつを抜かし、まともに勉強もせず社会に出るなら、大学に在籍している意味がない。
佐鳥は注文していたチョコレートケーキを頬張り、メロンソーダを一気飲みする。
「糖尿病になるなお前」
「心配するな、このあと大量の塩を摂る」
「馬鹿だ。お前は本当に馬鹿だ」
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