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 そして、悠斗の誘いを断る理由を見つけられずに迎えた夏休み。 長い時間を一緒に過ごせる嬉しさや期待……といえば聞こえはいいけど、要は自分の本音に負けただけ。 しかもそれは、そんなにサラッと綺麗なものではなく、かなりドロっとした心の底にへばりついているような想い。 その日が近づくにつれて、胸の奥がざわつく。 何かを期待するほうが可笑しいんだけど――何も期待できないけど、それでも『何か』を期待せずにはいられなかった。 「……で、明日は何時くらいに来んの?」  無駄にビデオ通話状態になっているスマホの画面には、風呂上りでTシャツの悠斗の姿。
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