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突然の史也の登場に言うタイミングを逃した聖月は固まっていた。
「ツキ。さっきの話の続きなんだけど」
その男の子の話の事。聖月は何かを伝えたかったのは沙乃にも伝わった。
史也や真美達には話してないのだ。その男の子の話は聖月にしか······
だからまたの機会に話して欲しいと言って聖月もそれを承知した。
ーーーーーーー
23時30分。
皆を起こして学校の教会に向かった。
中途半端に起きたために森信はめんどくさいから行きたくないと駄々をコネだし、沙乃と明奈に足蹴りを喰らいもがいている最中にも関わらず玄関までひきづられて行った。
「······鬼が···いる」
よくこんな鬼女を彼女にしたなと史也は横目で陽介をみた。
それを察してか「明奈は照れ屋だけど凄く優しい」とフォローを入れた陽介。
「んもー!陽ちゃんったら!!」
そんなバカップルを見て腹部が破裂しそうになったのも無理はない。
ーーーーーー
「ぅわー····夜の学校不気味ぃ·····」
校門は門が硬く閉ざされている為、体育館裏の破けた金網から侵入した。
ガラス越しに見える真っ暗な校舎はいかにも何か出そうな雰囲気を醸し出していた。
教会の前にたどり着き鍵を開け扉を開けた。
「教会も····なんとまぁ···気味悪いわな。」
「そお?月光がステンドグラスを輝かして神秘的で素敵だと思うけど?」
背筋をゾッとさせている森信とはうってかわって明奈はウットリしていた。
時刻は23時50分。
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