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塾の近くの ファーストフード店は、 わたし達とは違う 制服を着た高校生で 溢れ返っていた。 たまたま空いていた窓際の席は、 観葉植物に遮られ、周りの わさわさした空気を感じずに済む ラッキーな場所だった。 放課後、塾が始まるまでの 1時間だけつき合ってほしいという わたしの言葉に、田辺くんは あっさりOKをくれた。 彩加には内緒、 という条件にも、 理由は尋ねないで いてくれるところは、 さすが田辺くんだ。 おまけに、ポテトを ちびちび食べながら 本題に移れずにいる わたしに気付きつつも、 決してせかさず、 覚悟を決めるのを 待っていてくれる。
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