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「その子って、
…彩加に似てる?」
んぐ、と変な音がして、
田辺くんがストローを
口から離した。
「…いってえ。
…鼻にコーラ入った」
顔をしかめて
鼻の穴を押さえる田辺くんに、
わたしは急いで
テーブルナプキンを渡した。
「…ごめん…ごめんね、
…いきなり変なこと聞いて」
「いや、別にいいけどさあ」
田辺くんは鼻の下に
ナプキンを当てながら、
「全然似てないよ。
まるっきり、逆のタイプ」
「…そうなの?」
「うん。……まあ、
今お前に聞かれるまで、
比べてみたことなんか
一度も無かったけどな」
「…そっか…」
小刻みに頷くわたしを、
田辺くんはじっと見つめた。
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