一話「利子は十日で二」

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「後は、これ…。」 もう一枚の書類を彼に見せる。 ・取り立ての際はサングラスに黒のスーツ、必ず守って下さい。 ・口調はヤンキー風に、必ず守れよこの野郎。 ・取り立てはゲリラで行います。ヤミ金部員でも問答無用です。 「………。」 最早突っ込む気すら起きない。 「簡単なルールはこんな感じですわ。ちなみに他に部員はわたくしを含めて六人…雅史君で七人になります。」 「あ、意外と少ないね…。」 「ふふ、皆さんとても恐い方ばかりですのよ…?」 真理亜が言うと、色んな意味で恐い気がする、恐らく外見的にはそうでもないだろうが、内面的に酷いのだろう。 「…そう言えば…他の方、居なかったよね…?」 「ああ、丁度取り立てに行ってる最中ですわ…先程からターゲットは上手く逃げているみたいですが…。」 「………。」 ターゲットの事を考えれば、あまり良い気分にはなれない。内心で合掌する雅史。 「まあ…悪い部活ではありませんわ、この光雲学園のヤミ金部は。」 「…徴収したお小遣いは、ボランティア団体にも回していますので。」 とても良い事を聞いた気がする。 「…この学園は、ただのお金持ちが集まる学園ではありませんから、ね…。」 「……?」
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