序章

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話は一時間程前に遡る。 彼…葛城雅史は都内の某ハンバーガーショップでチーズバーガーとシェイクを購入し店から出て来た所だ。 容姿は一般の高校生より小さく、髪は黒の耳まで掛かるストレート、顔は整ってはいるが…女顔、と言うべきだろうか。カッコいい!よりもカワイイ!と言われる事が多いだろう。 そんな彼は学校から帰宅中だった、テストが終わって早く帰宅出来る為に気分は上々。 (…帰ったら、ゲームしようかな……まだ、やってないゲームもあるし…。) そう表情をぽやぽやさせて歩く姿にすれ違う女性、しかも男性までもが頬を緩ませる。そのくらい可愛い。 ハンバーガーショップから数百メートル歩き、彼の表情も普段通り普通な表情に戻った時、前方からふらふらと脚をもつらせて歩く女性の姿を確認した。 (……ふらふらしてる…大丈夫かな…。) そうして近付く中、事件は起きた。 前方を歩く女性が、脚をもつらせて道路に転倒したのだ。 (……!) 女性と自分の周りには人は居ない、そして道路の前方からは携帯を見ながらトラックを走らせる運転手。 (…あ、危ない…!) 彼はとっさに走り出し、先程買ったハンバーガーが落ちるのも躊躇わず、彼女に駆け寄り。 (く、うう…!) 歩行者道側に引きずり寄せた。 「う、う……。」 「だ、大丈夫ですか…!」 どうやら、意識が混濁してるようだ、上手く言葉が出ないらしく、言葉を詰まらせる女性。
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