序章

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「あ、あの…それに…此所はどこなの…?」 彼女、真理亜の自己紹介を華麗にスルーしこの状況が未だに理解出来ないのか問い掛ける。 「…スルーかよ……此所は、光雲学園、貴方も知っていますわよね。彼の有名なお金持ちだけが通える学園。」 「は、はあ…な、何で、僕はそんな所に…?」 その質問を聞くなり、唇を吊り上げて待ってました、と言わんばかりに続ける。 「何故?何故って勿論、貴方をスカウトしたんですよ、無理矢理ね!」 それって誘拐なんじゃ…とは敢えて口には出さない雅史。 「…いや、あの…僕、もう通ってる高校ありますし…。」 「ああ、先程退学届けを出しましたわ。勝手に。」 「うぇえええ!?ちょっ、何してるんだよっ!」 「あら、そんなに喜ばれると…わたくしも頑張った甲斐がありましたわ。」 「喜んでないってばぁ!寧ろ落ち込んでるよ!」 「人が落ち込む姿は見ていて愉悦。」 「ふざけるなぁっ!」 ぜえはあ、ツッコミに疲れたのか肩を揺らして息を整える。
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