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「真理亜さん…。」
思わず、瞳を滲ませて涙を溜める。
「と言う訳で…。」
おもむろに彼女は朱肉を彼の親指に押し付けて、先程の入部届けに。
ぐり。
と、押し付ける。
「あっ」
瞳から涙は引いた。
「はい、これで雅史君はわたくしが部長を勤めるヤミ金部に入部しましたーぱちぱちー。」
物騒な名前の部活が耳に入る、聞き間違いではないらしい。
「ちょっ、何ですかそのヤミ金部って!そんな部活僕入らないよ!」
「駄目ですわ雅史君、もう取り消せません。」
にこお、とまるで悪女の様な笑みを見せる真理亜。悪どい。
「ひ、酷すぎる…。」
「大丈夫ですわ、雅史君、貴方ならきっと優秀な取り立て屋になれますわ♪」
「そんなのなりたくないよぉっ!」
悲痛な叫びが無情に木霊する。
彼の運命や如何に…!
プロローグ、終了。
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