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あの後、本当に蕁麻疹も嘔吐もなく…坂崎君とのコトが済んだ。
終わった後も、何度も腕や足を確認したけど、蕁麻疹はなかった。
その代わり……蕁麻疹とは違う赤い跡はいくつか残ってたけど。
そして、服も着て、コーヒーで一息ついて、坂崎君が帰る間際のこと。
「あの………坂崎君?」
玄関へと向かう坂崎君の背中に遠慮がちに声をかける。
「はい?」
坂崎君は足を止めると、くるりとこちらへ振り返った。
「あのぉ…、今回のこと…他言無用でお願い……します……」
尻すぼみになりながら、やっとのことでそう伝えた。
「セックスアレルギーのことですか?それとも僕たちがヤっちゃったってことをですか」
頭1個分上から、意地悪そうな坂崎君の声が降ってきた。
パッと坂崎君を見上げると、そこにはいつもの可愛い顔とは全く違う、悪魔のような笑顔を湛えた坂崎君がいた。
─────ひぃぃぃぃっ!!
心の中で、声にならない悲鳴を上げる。
「あの……その……両方です」
6つも年下の男の子の前で、ギュッとスカートを掴み俯く。
なんか、怖いんだけど…このコ。
「セックスアレルギーのことは、水虫とか痔持ちとかと同じ体質のことだし、個人的なことなので絶対に口外しません」
真っすぐに私を見る瞳は真剣で、例えはどうであれその言葉は信用できると思い、心の中でホッと安堵した。
よかった…。
話せば分かってくれるコで。
「──────でも」
そう言葉が続き、再度坂崎君を見上げるとまたあの悪魔の微笑み。
壁に手を突き、私の目線を合わすように屈んだ坂崎君は上目遣いで言った。
「僕たちがこういう深い関係になったことは、二人の問題だし?責任取ってください。僕……初めてだったんですよ?」
「────はぁ!?」
初めて?
あれで、初めてって……!!!
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