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「それは無理だよ!第一、みんな同じ高校の同級生なんだから話し合わないと思うよ。女だけじゃなくて男だっているんだし」
「女子会じゃないんですか?じゃあ、遠慮しま~す」
「えぇ~~~」
女子会じゃないからという理由で断った坂崎君に、沙耶が残念そうに呟いた。
断ってもらって、私は心の中でホッと息を吐く。
メグと坂崎君が顔を合わせたらと思うと……心臓が持たないや。
それにしても坂崎君、何考えてるの?
パクパクとランチを頬張りながら、私を見ている。
「先輩、トマト好きでしたよね?」
突然そう言われ小首を傾げると、坂崎君がつまみ上げたプチトマトが私の唇に当たった。
な、何!?
反射的に口を開くとそのままプチトマトが放り込まれた。
「美味しい?」
そしてまた反射的に咀嚼し頷く。
頷くけど……。
なに、このシチュ……。
「…仲良いのねぇ」
存在を忘れかけていた沙耶が怪訝そうに呟いた。
「ち、違っ!!」
慌てて沙耶へと振り返り、訂正をしてみるが…ニヤリと口角を上げて面白そうに笑う。
「さ、坂崎君も!こういうの、ヤメてよ…」
坂崎君は素知らぬふうに、ニコリと綺麗な顔を崩して笑う。
意味ありげな笑顔に、私は慌てて視線を逸らした。
「わ、私、先に戻るね」
居た堪れなくなり、沙耶と坂崎君に一言言ってから逃げるように食堂を出る。
って、それでもまた隣の席なんだけどね……はぁ。
…ほんとに、何考えてるの。
坂崎君がワカラナイ…。
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