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「相変わらず、くすぐったがりだねー、メグは」
掴まれた手を振りほどこうとしたけど、びくともせず…。
不思議に思い、メグを見ると、何を考えているのか分からない無表情だった。
「メグ~?」
一瞬瞳が揺らいだと思ったら、もう片方の手でグイッと顎を掴まれた。
な、なに!?
「────お望み通り抱いてやる」
唇が触れそうなほど近くまで顔を寄せたメグはそう呟き、そのまま私の唇を塞いだ。
かぶり付かれるような激しいキスだった。
角度を変え、何度も何度も、深く重なる唇。
そのたびに背中を這うように、もどかしい痺れが走る。
呼吸をするのも必死なくらいで、気が付けばメグに腕を回ししがみつき、舌を絡ませてメグを求めていた。
そろそろ蕁麻疹が出る頃かな…。
体質的にこれ以上行為が進むことはないだろうと高を括っていた。
─────が、甘かった。
スイッチの入ったメグの舌が、首筋を這っても。
大きな手のひらが胸をまさぐっても。
蕁麻疹も嘔吐も……アレルギー症状は発症しない。
メグの指先から何度も快感をもたらされ、私は次第に焦りつつあった。
セックスの経験が、20歳のロストバージンの1回きりだったから。
高杉さんは私が初めてと知っていたから、壊れ物を扱うように優しく抱いてくれたおかげであまり痛みを感じることはなかった。
でも5年前の1回、あれきり……。
どうしよう…と思っていたけど、もうすでに時は遅し。
「───────煽ったお前が悪いんだからな」
「……あぁっ………!!」
メグが私を貫き、一際大きな声が出た。
一瞬痛みが走ったが、次第に甘い疼きが体中を駆け巡る。
快感で零れる喘ぎ声以外、お互い言葉はなかった。
その後メグは何度も何度も私を抱いた。
行為は激しいのに、やたらと優しい指先と唇。
自分は愛されているのではないかと勘違いしそうだ…。
メグの愛撫に私は何度も達し、何度目かの高ぶりに、ついに意識を手放した────……。
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