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一緒にベッドで横になっている坂崎君の細くて長い指が私の胸へと伸びてきて、慌ててその手を跳ねのけた。
「ちょ、ちょっと!!」
手元の布団をずりあげると、また布団の中にもぐりこんだ。
そうでもしないと、坂崎君にまた裸体を晒すことになる。
「どうしたんですか~?もいっかいしますか~?」
坂崎君の間延びしてからかうような口調に、ハッとする。
「もいっかいって……シちゃったの……?その、私たち……」
さりげなく下着のチェックをしてみたけど、やっぱり何も着けておらず…。
おそらく坂崎君もそう…だと思われる。
でも、それって……。
まさか、そんな………!
頭を抱えて何も言わずにいる私に、「やっぱり…」とため息交じりに坂崎君が呟いた。
「…先輩から誘って来たんですからね。記憶、ないんですか?」
記憶ははっきり言って、ない!!
でもふわふわ、ゆらゆらととても気持ちのいい時間を過ごした……そんな感覚は残っている。
「いや、この際、私が誘ったとかもうそんなのどうでもいいの!本当に本当にシちゃったの??本当に?」
「───へ?だからシちゃいましたよ?」
「最後まで?」
「もちろん、最後まで」
「……うそぉ……」
私の態度に不思議そうに坂崎君の長い睫毛がぱたぱたと動く。
最後までできたんだ……。
坂崎君と。
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