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朝、目覚めるとそこは全く知りもしない部屋だった。
深酒はこの前の坂崎君の件で懲りたはずなのに………。
自分の馬鹿さ加減にあきれ果てる。
「………何やってんのよ、私………」
どう見てもホテル、だ。
でもいかがわしくない、きちんとしたホテル…ビジネスホテルかな?
来ていた服は皺くちゃにはなっていたが、きちんと全部身につけている。
ははは、靴も履いたままだ。
見渡した窓際のテーブルには私のバッグが置かれていた。
「そうだ…携帯…」
この状況が誰か分かる人がいないかな。
……沙耶なら何か知っているかも。
バッグをあさり、携帯電話を取りだした。
時間は08:13。
手元の携帯電話は緑のランプがチカチカ点滅していて、メールを受信していることを知らせていた。
「メール………メグからだ……」
恐る恐るメールを開いた。
『気分はどうだ?
二日酔いは大丈夫か?
昨日お前が酔い潰れたから、俺が止まる予定だったホテルに運んでおいた。
俺は信司のとこに泊ったから気にするな。
支払いも済んでる。
チェックアウトだけお願いします』
「────はぁぁぁぁ………」
メールを読み終わると、大きく零れたため息一つ。
どんだけ迷惑かけてんの、私。
盛大に反省した後、携帯電話の電話帳からメグを引っ張り出すと、通話ボタンを押した。
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