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どんなに好きになった人でも、最後まで至ることはなかった。
手も繋げる。
キスも大丈夫。
でも、いざベッドに入り服を脱ぎきる頃……蕁麻疹が現れる。
酷い時には嘔吐まで。
その症状を自覚するようになってからは、必ずお酒を飲んでからベッドインするようにした。
その方がいろいろ言い訳もしやすい。
でも一度その症状が現れてしまうと、気持ちも覚めてしまいそのままお別れ。
今までそのパターンばかりで、彼氏ができても長続きすることはなかった。
「なんていうか……セックスアレルギー?」
私の話を頷きながら聞いていた坂崎君が、そう結論付けた。
なるほど。
上手いこと言うな。
どこか他人事のように私も頷いた。
「でもそれって、ハジメテの時からそうだったんですか?」
くるりとうつ伏せになって、左右の足を交互にばたばたさせている坂崎君。
なんか仕草がいちいち可愛い。
「う~ん。たぶんね、ハジメテが印象的過ぎたから……トラウマになったのかも」
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